脳卒中後てんかんの転帰(死亡)については様々なデータがあります。
脳梗塞後の発作の有無は累積死亡に影響しなかったとする観察研究もあれば、18-50歳の若年の脳卒中患者の観察研究では脳卒中後てんかんがある症例はない症例と比較して累積死亡が高いと報告しています。
15研究を対象としたメタ解析では、脳卒中後のけいれんの既往は、既往のない症例と比較して総死亡のリスクが高かったとしています。
Reference:
Medicine (2016) 95:27(e4117)
一方で脳卒中後てんかんの死因の大半は循環器疾患や悪性腫瘍ではあります。
また脳卒中後てんかんがある症例は、そもそも脳梗塞発症時のベースラインとして神経学的な重症度や虚血リスクなどと関連しているため、転帰(死亡)と発作の直接的な因果関係を検証することはなかなか困難ではあります。
ただし発作は入院の長期化や骨折などのイベントにもつながりますので、適切な発作管理の重要であることは言わずもがなです。が、過剰な発作予防は高齢者診療では注意も必要で、やはりバランスが大事なのでしょう。
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