「難治てんかん」 定義、てんかん専門医への紹介タイミング

難治てんかんについてです
一般に、てんかんは一種類の抗てんかん薬の内服治療により、


約7割の方は発作が消失(5年の発作寛解)しますが、残りの2−3割は寛解せず、その一部は難治の経過となることが知られています。
では、難治性てんかん(refractory epilepsy/medically intractable epilepsy)とは、どのような状態でしょうか?論文によっては「薬剤抵抗性てんかん(drug-resistant epilepsy)」と表現されます。
薬剤抵抗性てんかんの厳密な定義はありませんが、2010年のILAEの提言するものでは
適切かつ十分な量のAEDを2種類用いた、副作用のない状況での治療下においても、十分な期間の発作コントロールが得られていない状態
なぜ、2種類のAEDとしているのか? なぜ3−5種類などの多剤ではないのでしょうか?
理由1)
AEDの多剤療法を行っても、発作消失の期待値は、2剤目追加で14%、3剤目追加で4%程度しかなく、
追加薬剤を増やしても、発作消失の期待値はそもそも高くないという過去の報告があり、多剤AED治療の限界は知られています。
理由2)
難治かどうか早い段階での判断が必要です。
新規にAED治療を開始した場合、効果判定には最低でも数ヶ月は要します
(多種類のAEDの効果を試すことで、数年以上を要し、学業・就労などに大きな影響を与えてしまう)
・薬剤抵抗性てんかんは、長期的には脳機能へ影響(例えば知能・記憶などの高次脳機能の低下)しうる
外科的治療が多剤AED治療より有効である場合がある
・早期に発作を0にすることが、何もよりも患者さんの生活・社会的生活にとって重要(人生に関わる)
近年では抗発作作用の強いAEDが複数ありますので、既存のAEDしかなかった状況とは異なります。
「1種類あるいは2種類の適切なAEDを用いて1〜2年間治療を行い、発作がなくならなければ、専門医療機関へ紹介する」

というのを一つの目安と考え、該当する場合は、てんかん外科治療の適応があるかどうか、評価してもらう必要があります。
てんかん外科的治療対象は一般には以下のようなものがあります
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ただし、てんかん外科治療の適応を判断することは、決して容易ではなく、
・長時間ビデオ脳波モニタリング
・脳血流SPECT
・脳磁図検査
・3T-MRI
・FDG−PET
・Wada test
・fMRI
など様々な検査での評価が必要となる場合もあります。
つまり、適応判断は専門医に任せるのが一番です
<非専門医として大事なこと>
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References
Kwan P1, Arzimanoglou A, Berg AT, Brodie MJ, Allen Hauser W, Mathern G, Moshé SL, Perucca E, Wiebe S, French J. Definition of drug resistant epilepsy: consensus proposal by the ad hoc Task Force of the ILAE Commission on Therapeutic Strategies. Epilepsia. 2010 Sep;51(9):1922.
Patrick Kwan, M.D., and Martin J. Brodie, M.D. Early Identification of Refractory Epilepsy. N Engl J Med 2000; 342:314-319
Binnie CD1, Polkey CE; International League Against Epilepsy. Commission on Neurosurgery of the International League Against Epilepsy (ILAE) 1993-1997: recommended standards. Epilepsia. 2000 Oct;41(10):1346-9.
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