一過性てんかん性健忘の発作時脳波

一過性てんかん性健忘の発作時脳波:海馬限定の発作
健忘とはいわゆる「記憶障害」のことですが、ある日突然、急にこの記憶障害が出現した場合には、まずは脳梗塞や脳出血などの急性脳血管障害の除外が必要にはなります。
記憶は「海馬」が関わりますので、そのような場所で脳血管障害を起こしていないかすぐに確認をします。その他の鑑別は多々ありますが、決して稀でなはない病態として、一過性全健忘というものがあります。
そしてこの一過性全健忘と鑑別すべき病態に、一過性てんかん性健忘(transient epileptic amnesia; TEA)があります。
今回は一過性てんかん性健忘(transient epileptic amnesia; TEA)の症例報告です。
「鳥肌や悪寒」といった自律神経系の発作に続発して一過性の意識消失発作を呈し、その後に健忘症状が遷延した60 歳の症例報告です。健忘症状の持続した状況で記録した脳波検査では、左中側頭部から出現する発作時脳波変化(律動性 α 波)を認めました。
この発作波の進展(evolution)は側頭部に限局したものでした。臨床経過及びM R I所見から非ヘルペス性急性辺縁系脳炎の診断に至りましたが、その初期臨床像としての一過性てんかん性健忘(transient epileptic amnesia; TEA)を呈していたものと考えられました。
T A Eは「海馬に限局したてんかん発作」であり、側頭葉てんかんの亜型と考えられています。T A Eの発作時脳波の報告は稀であり、本症例の発作時脳波が中側頭部に限局した点はこのT A Eの病態を反映したものと考えられた貴重なデータと考えます。
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左中側頭部から出現する発作時脳波変化が見られ、evolutionは認めまずが、空間的広がりはさほど目立ちません。
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https://www.jstage.jst.go.jp/article/clinicalneurol/advpub/0/advpub_cn-001414/_pdf/-char/ja
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