新しいてんかん焦点探索:AMPA受容体 PET
てんかん焦点の検索は
1)発作症状からの推定
2)脳波での同定
3)脳画像検査での検索があります。
この中で発作症状はとても重要ではありますが、以外と当てにならないことも多々あります。また脳波も同様であり、特に頭皮上脳波に関しては、発作焦点を正確には同定できないことも稀ではありません。一方の画像検査のてんかん焦点の検出率は決して高くありません。
特に薬剤難治てんかんの場合だと、MRIだけでは焦点が不明確なことが多く、脳血流SPECTやFDG−PET検査などを駆使して初めて目星をつけられることもありますが、一番検出感度が高いとされるFDG−PETであっても8割程度の検出率とされます。また画像検査においては、てんかんに特化した(特異的な)マーカーがあまりないという課題もありました。いずれにしても1)−3)の所見に基づいて総合的に推定していく作業になります。
ところで、てんかん焦点ではAMPA受容体が多く発現していることがわかり、そのAMPA受容体を可視化する新しいPETプローブが開発され、近年注目されています。てんかん焦点の切除術を受ける側頭葉てんかん症例で、術前にこのAMPA受容体標識PETを用いてその発現量を評価したところ、AMPA受容体のPET画像値(SUV)と切除病理でのAMPA受容体タンパクに相関性が見られました。
つまり、PETによるAMPA受容体の可視化が、てんかん焦点の新たなマーカーとして期待されます。さらにはAMPA受容体の発現量が多い症例であればAMPA受容体を阻害する抗てんかん薬(ペランパネル)が有効なのかどうか、などもこのPETを用いて今後検証ができると思います。
写真
一つ目:側頭葉てんかん症例のMRI画像と、PET画像。白矢印がてんかん焦点として切除した側頭葉
二つ目:切除した側頭葉の各領域でのAMPA受容体タンパク量
三つ目:PETと病理の相関
Miyazaki, T. et al. Nat. Med. https://doi.org/10.1038/s41591-019-0723-9 (2020).
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