ウェアラブルデバイスとは
ウェアラブルデバイスの医療活用が進んでいることは皆さんご存知だと思います。わかりやすく言うと、身に付けることができる医療系のパソコン、みたいな感じです。最近ではApple Watchでの体調管理などが話題になっていたと思います。
自宅でも医療検査を受けられる
医療検査でも「ウェアラブル化」が進められていて、例えば脳波検査でも、わざわざ病院で検査を受ける必要なく自宅にいながら記録ができるように研究が進められています。
ウェアラブルデバイスの脳波で発作を自動検出
今回の論文は、この「ウェアラブルデバイス」としての脳波での「AIによる自動発作検出」というテーマです。ICT化が進んだテーマです。
「ウェアラブルデバイス」や「自動判読」などは、それぞれ単独のテーマとしては論文でもしばしば目にしましたが、両者が合わさると最強感があります。もう病院いらずというか、医者もいらないのではないか? というところまで来ている感じがします。
脳波の簡略化
もちろん、てんかんや脳波関連の論文でも数年前から注目されてきたテーマでもあります。ただ「ウェアラブル」あるいは「AIによる自動判読」のどちらかonlyの論文が多かったように思います。AIが進化したらなくなる仕事は? みたいな話しは少し前は巷でよくありましたが、医療も他山の話ではありません。臨床脳波の専門家が不要になる時代はもう来ていて、とても楽しみです。
論文概要
論文は難治性てんかん患者を対象に「耳にかけるウェアラブルデバイス」で得られたデータを用いて、発作の検出アルゴリズムの有用性を評価したものでした。2チャンネルの脳波測定を、自宅にいながら最大8ヶ月間の期間で実施されたようです。自動での発作検出アルゴリズムは発作の可能性のある脳波のタイミングでタグ付けされており、臨床医が最終的な正答率を評価した、という研究デザインです。またICTとして発作日誌アプリケーション(Helpilepsy®)も活用されています。
結果:
101件の発作の報告があり、入院患者で52%、外来患者で23%の検出率だったようで、誤検出は、入院患者7.13%、外来患者7.77%と、そこまで芳しくないですが、まだまだ伸び盛りですね。
Reference
Macea, J., et al., Epilepsia 2023.
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