デジタル脳波:DSAで判読

デジタル脳波の画面で見る「これ」
DSA1.png
何かわかりますでしょうか?もしデジタル脳波を判読しているのであれば、これを活用しない理由はありません。
とっても便利な機能です。
見方さえ分かれば、誰でも活用できます
見方さえ分かれば、脳波の見方が変わります。
ぜひ活用してほしい機能です。知っていて損はないと思います。
名前はdensity modulated spectral array (DSA) 表示機能といいます。まずは簡単な見方から説明します。
DSA2.png
・縦軸は周波数(0〜20Hz)
・横軸は時間(0〜記録終了まで)
・スペクトラム(色)は、各周波数ごとのパワー(脳波の振幅の程度)

を示しています。
例えば、このDSAでの、赤い枠、黒い枠の箇所に注目してください。
DSA3.png
赤枠:
おおよそ11−12Hzの周波数に色がついていますので、この時間帯ではα波の活動が主体となっていることがわかります。α波といえば、覚醒閉眼中に出現する後頭部優位律動です。
黒枠:
6Hz未満の周波数が主体の時間帯(シータ波+デルタ波)を示しています。徐波が中心となっている状況を示唆します。
つまりこのDSAのトレンド表示をみるだけ、脳波ページをめくらずとも記録脳波の全体像が一目瞭然になります。
では練習で、この脳波のDSAを見てみましょう。
DSA4.png
DSAの変化が30分の記録全体の中でみられますが、以下の7箇所のDSA変化に注目してみましょう。
DSA5.png
この7箇所におけるそれぞれの脳波は、DSAをみるだけであらかじめ予測することができます。
1:覚醒—少しうとうと
10−11Hzの周波数があり、おそらくこれはこの被験者さんの後頭部優位律動でしょう。後頭部優位律動は断続的にしか見られないので少しうとうとしています。
後頭部優位律動の持続性が乏しい点で完全な覚醒ではないと言えます。
2:覚醒
1とは対照的に、最も後頭部優位律動が持続的に出現している時間帯が示唆されます。
3:軽睡眠
6Hz以下の周波数が中心となりました。寝始めたところです。
ちなみに、その時の脳波がこちら;vertex sharp trasientを認めます。
DSA7.png
4と6:睡眠Ⅱ期
徐波(6Hz以下の周波数)に加えて、spindle(14Hz前後の周波数帯域)も見られています。睡眠stageが下がったことがわかります。
実際の脳波がこちら
DSA8.png
徐波(6Hz以下の周波数)と速い周波数(spindle)が混在している状況を反映していることがわかります。
7:再覚醒
後頭部優位律動が再度出現し、覚醒したことがわかります。ただし、その持続は乏しく、まだ眠いのでしょう。
このように、脳波全体の経過(特に覚醒度)が一目瞭然です。
脳波機能の評価には、脳の背景活動、睡眠脳波の評価が必要になりますし、徐波やてんかん性放電を含めた異常所見は、それが覚醒時の出現なのか、あるいのは睡眠時かで解釈が異なる場合もあります。
ところで5のDSAの箇所はあえてスキップしましたが、これはなんだかわかりますか?
徐波成分とα波成分が同時に極短時間のみ出現しています。
実はspike and waveです。実波形がこちら。
DSA_spike.png
では他にもspikeはあるのでしょうか?
ここでDSAが活躍します。よく見ますと、同じような特徴のあるDSAが複数箇所みられます。
DSA6.png
これらの箇所は全て同じようなてんかん性放電が確認されました。
<DSAについての解説>
DSAは脳波データの時間周波数解析をして表示したものです。高速フーリエ変換 (fast Fourier transform: FFT)という解析を行い、縦軸に周波数、横軸に時間をとり、スペクトログラム表示しています(各周波数におけるパワーを色で表示)。なお、解析対象とする電極は、設定で変更できます。
両側後頭部のO1とO2電極を選択すれば、後頭部優位律動の変化が明瞭にわかりますので、O1とO2に設定するのが一般的です。
なお、例えばfrontalにspikeがあることがわかっている場合は、設定をF3やF4にすることで、DSAからspikeのスクリーニングができることもあります。
<大事なこと>
・ デジタル脳波にはdensity modulated spectral array (DSA)という便利な機能がある
・ DSAは脳波の全体像の評価が簡単にできため、脳波判読を始める前にDSAを確認する
・ DSAをうまく応用すれば異常所見のスクリーニングにも有効な場合がある
★★脳波の推薦テキスト★★
『脳波判読オープンキャンパス(診断と治療社)』
・図書の詳細はこちら
・アマゾンでの購入はこちら
↓↓↓
71BwgFchlvL.jpg
本書の特徴はこちら
↓↓
sssssfgebwr.jpg
【てんかんテキスト】
「てんかん、早わかり! 診療アルゴリズムと病態別アトラス」
豊富なアトラスとアルゴリズムで諸学者向けのてんかんテキストです。
Amazonにて先行予約が可能となりました
【Amazon.co.jp】
【脳波判読ハンズオン:動画コンテンツ(初学者向け)】
https://www.youtube.com/channel/UC8fQhXxMaey6Bm80ZHGm-ig
【脳波のウェブ勉強会:毎週月曜日に開催】
参加希望はこちらをご参照ください。医学生・医師あるいは検査技師であれば医局や病院に関係なくどなたでも参加できます。
にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ
にほんブログ村
にほんブログ村 病気ブログ てんかんへ
にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました