子供の初めての発作:てんかんかどうかを予測
―1年以内に「てんかん」と診断されるリスク予測―
てんかんは「発作」を繰り返す病態です。よって、てんかんの診断には原則的に発作が2回以上あることを確認することが求められます。
そのため初めての発作の時は「てんかんとしての初回発作なのかどうか」という診断において悩ましいことが多く、一旦は診断保留になるケースも多いのではないでしょうか。
診断がつかないまま、かつ発作が再発するかもしれないリスクを抱えて過ごすことはとても不安だと思います。特に小児での初回の発作の場合にはそのような不安も大きいものと思います。
2018年の論文ですが、小児で初回発作がみられた場合で、初回発作時にはてんかんの診断に至らなくても、その後1年以内に「てんかん」と診断される可能性がどの程度あるかを事前に予測するモデルの論文があります。
451名の初回の発作のあった小児を対象に初回発作後の1年間を追跡調査し、予測モデルの精度を検証したものです。
R O C解析のA U Cは0.86とそれなりに高く、positive predictive value 0.93, negative predictive value 0.76と言う結果でした。
予測モデルに使われた因子
• 年齢
• 性別
• 発作型(両側性、側方徴候、脱力、自動症など)
• 神経学的異常
• 自閉症やADHDなど
• てんかん症候群
• 脳波異常
これらの評価項目を各症例に当てはめるだけで、予測値が出ますので、とても便利ですね。
初回の発作があった場合には、てんかんである可能性を事前に予測する一つのツールとして有用と思いますし
病状説明の際に、一つの補足情報として参照すると良いのではないかと思います。
Reference
Pediatrics 2018; 142(6):e20180931. DOI: 10.1542/peds.2018-0931
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