急性症候性発作後の抗てんかん薬の投与期間は4年間?

急性症候性発作の再発リスク、治療適応(抗てんかん薬の内服)について
脳卒中発症後にてんかん性発作を生じた場合は,その発症時期に応じて以下のように分類されます.
・ 1(または2)日以内:acute symptomatic seizure(AS)
・ 1(または2)週間以内:early seizure(ES)
・ 1(または2)週間以降:late seizure(LS)
ASやESは,その後の脳卒中後てんかんに進展する(てんかん発作を慢性に再発する)リスクは低いが,LSはそのリスクが高いことが数多くの研究から知られています.
初発の発作の危険因子も,「心原性脳塞栓症」「脳卒中病変が皮質を含む病変」「脳卒中の重症度」「脳出血」などが知られています.
ただし問題の治療法,とりわけ発作の再発予防としての抗てんかん薬(AED)の適応については確立されたものはありません.
再発リスクの高いLSには一般的にAEDを導入し,ASやESには導入しても短期的に止めるという考えが一般的で,再発のリスク因子を有している場合などは個々の症例で検討が必要です.
今回紹介する論文は,ASやESに対するAED治療の適切な投薬期間を検証するために,単施設前向き観察研究を行っております.
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2805名の脳梗塞患者が前向きに登録され, AS(この論文では脳卒中後7日以内と定義)は115名(4.1%)に見られ,2年以上の観察ができたのは101名でした.
AS発症者のその後の再発率に関しする解析では(カプランマイヤー生存曲線),
・ 初回AS発症後1週間以内のAS再発は22%
・ 初回AS発症後,脳卒中およびそれに関連したASの再発率は4年観察時点で16.4%,8年で18%
興味深い点は,初回AS後4.2年経過後は,再発率がほとんど高くなっていない点で,著者は「AS後の再発予防にAEDを使用する場合,4年を投与期間の一つの目安」になる可能性を述べています.
文献
Research paper: The prognosis of acute symptomatic seizures after ischaemic stroke
Thomas Leung, Howan Leung, Yannie O Y Soo, Vincent C T Mok, K S Wong
J Neurol Neurosurg Psychiatry 2017;88:86-94 Published Online First: 27 January 2016 doi:10.1136/jnnp-2015-311849
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