抗 LGI1 抗体陽性辺縁系脳炎:ASLと脳波で病態を把握する

抗 LGI1(leucine-rich glioma-inactivated 1 protein)抗体陽性辺縁系脳炎

主な症状:
・てんかん発作
・意識障害
・認知機能低下
・低 Na 血症
などを呈する急性の自己免疫性脳炎です。
免疫治療の介入時期により予後が左右されるため早期の臨床診断が求められる、決して稀ではない急性自己免疫性脳炎の一つです。
この脳炎では以下の2つの特徴があります。
1)FBDS(facio-brachial dystonic seizure)と言う特徴的な症状

・持続は非常に短く(3 秒以内)
・常同性があり
・頻回に出現
・一側の上肢と顔面が「同期性」に出現
・ときに体幹や下肢まで同期する
と言う特徴を持ちます。
FBDSは本疾患に特異性が高く、また本脳炎の先駆あるいは初期症状とされますので、このFBDSを早期に把握することは早期診断早期治療の上で極めて重要です。
2)脳炎のパラメーターとして、髄液所見が有用でないこと

本疾患はステロイドなどの免疫治療が奏功しますが、髄液検査が正常だったり、急性期のMRIでのGd造影効果を示さなかったり、通常の脳炎のパラメーターがあてにならないと言う特徴があります。
つまり「髄液で細胞数上昇がなければ脳炎は否定できる」は正しくなく、
また「MRIで造影効果がなければ、現在の疾患活動性はない」とも言えないのです。
本論文では:
https://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/060110778.pdf
掲示的な脳の灌流評価をASLで行い、病勢のパラメーターとしました。しかし、ASL所見は合併するてんかん発作の影響を受けるため、脳波活動も詳細にフォローすることでその差分を勘案し病態指標としました。
qefgevg.png
入院後の症状経過とMRIの画像変化です。
ASLで認める血流亢進所見が病勢を反映していましたが、その一部には
111.png
この脳波所見で認める頻回に出現する発作時脳波活動による影響を受けていたと思われました。
defqeq.png
発作時脳波所見はDSAでも捉えることができました。
参考文献:
臨床神経 2020;60:778-785
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