自宅で発作を止める方法:口腔粘膜

5分以上持続する発作は「早期てんかん重積状態」と判断し、まずはベンゾジアゼピン(ジアゼパムやロラゼパム)の静注で、迅速な「消火活動」を開始します。
この初期治療で頓挫せずに30分以上持続する重積は「確定したてんかん重積状態」と呼びます。重積状態に到れば転帰不良となる可能性がますます高まります。よって、遅くとも30分以内に発作を鎮火させねばならない。
”Time is brain”とは脳卒中だけの言葉だけではないのです。
「いかに早く発作を止めるか」が重要であるため、発作が止まらない時は救急外来での処置が必要になりますが、ご自宅内で発作を止める処置があるのであればそれに越したことはありません。
一般には「座薬」としてこのジアゼパムをご自宅で使うことがあります。しかし即効性・携帯性・投与量の正確性・投与の簡便さ、などの点で大きな課題があります。
「早い・安い・うまい」ではないですが、「速い・効く・(使い)易い」処置が理想的であることはいうまでもありません。そして何よりも薬の「安全性」は最も大事なことです。
ベンゾジアゼピンの「鼻腔投与」も注目されていますが、この鼻腔投与は介護者によっては適切に使うのが難しいこと、、鼻腔内分泌物が増えることで薬剤吸収が安定しないこと、などの課題もあります。
今回の論文では、このジアゼパムのフィルム製剤で「口腔内粘膜に貼り付ける」ことで投与が可能な製剤を紹介しています
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1525505019308728?via%3Dihub
この図のように「頬粘膜に貼り付ける」投与経路です。
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投与後の血中濃度の上昇を見ると、即効性もあり、用量依存性で、持続性もみられています。
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この口腔内フィルム製剤の小児・成人における忍容性と安全性についてEpilepsiaの今月号に報告がありました。
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介護者はこの製剤の使用法の指導を事前に受け、発作などの「有事」に投与を行い、それが安全に行われたか、そして有害事象がなかったのかを検証しました。
約半数では発作開始5分以内に投与ができており、非常に「早い」ことが分かりますね。
また発作時は投与が困難な場合も想像できますが、実際には「口があかなくて投与できなかった(2.5%)」、「口腔内分泌物が多くて難しかった(2.2%)」と稀でした。
また下記のように有害事象も重篤なものはなく、有害事象のため投与を中断した症例もなかったようです。
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体格の大きな患者さんへ「ダイアップ座薬」を投与することはとても大変だと思います。このような「速い」「効く」「(使い)易い」、そして安全な発作時の処置が早く現場で使えるようになって欲しいですね。
参考文献:
Epilepsy Behav. 2019 Dec;101(Pt B):106537. doi: 10.1016/j.yebeh.2019.106537. Epub 2019 Nov 5.
Epilepsia. 2020;61:2426–2434.
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