神経疾患によって発語不能な患者さんにとってコミュニケーション能力の回復は患者QOLの上でも喫緊の問題です。
近年、様々なコミュニケーションサポート技術が応用されていますが、今回の研究では患者の大脳皮質から記録した脳はデータをディープラーニングモデルと自然言語モデルを用いて直接単語や文章を解読することで言葉によるコミュニケーションを可能としており、既存の手法と比べてより進化しています。
対象:脳幹梗塞により構音障害と四肢麻痺を呈した患者を対象としています。
方法:
発語の中枢である感覚運動皮質の領域に,高密度の電極を硬膜下に埋め込んでいます.
検証:
48回のセッションを行い、被験者が50語の語彙セットの中から何を発語しようとしているかをそこ間の皮質活動を記録して解析しています。つまり,記録された皮質活動のパターンから単語を検出・分類するための計算モデルを,深層学習アルゴリズムを用いて構築しています.
さらに、これらの計算モデルと、先行する単語がある場合に次の単語の確率を算出する自然言語モデルを用いて、被験者が発話しようとしている文章を解読しています。
結果:
参加者の皮質活動からリアルタイムで文章を解読したところ,1分間に約15.2単語の検出が可能でした。
ただし、約25.6%の単語の誤り率も認めました。一方で自然言語モデルを用いると正答率はより高まっています。
臨床応用される日は決して遠い未来ではなさそうです。
N Engl J Med 2021; 385:217-227
DOI: 10.1056/NEJMoa2027540
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