てんかん治療の地域間格差

てんかんは100人に1人のコモンな疾患です。
人口1億人とすれば国内に100万人の患者さんがおられます。
特に成人診療科においては、超高齢社会を背景にてんかんは増加の一途にあります。
対して、国内のてんかん専門医(日本てんかん学会)は700名ほどですが、その半数弱は小児科医です。
高齢者てんかんなど増加し続けるであろう患者層をメインで診療する脳神経内科医としての専門医は全国でわずか90名たらずで、特に私の所属する中国・四国地域にいたっては県内に一人もいないという地域すらあります。
つまり、専門医不足も問題ですが、地域間格差も大きな課題です。multimorbidityとしてあらゆる疾患を診療する時代になり、てんかんも然りです。てんかんやけいれんはgeneralにかつspecificに診る必要性を痛感しています。
地域間格差はもちろん瀬戸内に限った話ではありません。もっと視野を広げれば国際的な地域間の医療格差がてんかん診療では課題となっています。今回は”epilepsy treatment gap” (ETG)の論文でした。
“epilepsy treatment gap” の定義は様々であるものの、33カ国で顕著に指摘されていました。
ETGを認める割合としては、ノルウェーの5.6%という低い値から、チベット、トーゴ、ウガンダなどの一部の100%まで幅広く分布していました。
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この論文では「有効な医療保険の欠如」、「診断のギャップ」、「治療のギャップ」、「クオリティ・オブ・ケア」そして「アンメット・ヘルス・ケア・ニーズ」がepilepsy treatment gapとしての主な課題と指摘しています。
当たり前のように長時間ビデオ脳波モニタリングなどの検査ができたり、新規の治療薬や外科的治療が検討できたり、合同カンファレンスが行える環境というのは、当たり前ではないことなのですね。
Reference:
Epilepsia. 2022;00:1–14
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