コロナでてんかん発作は増えるのか:流行地からのメッセージ

コロナウイルス感染拡大と、てんかん発作の関係性はとても気になるポイントです。
爆発的な感染拡大を起こしたニューヨーク市からの報告です。
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ニューヨーク市内のてんかんセンターのある単施設の報告ですが、COVID-19の大きな感染拡大があった地域におけるてんかん患者の発作状況、診療状況、生活状況がどうだったのかは貴重な情報です。
成人てんかん患者を対象に横断的アンケート調査を実施し、最終的には177人の回答を得ました。
COVID-19のパンデミックの間、患者の75.1%は発作コントロールに変化がなく、17.5%では発作コントロールの悪化があったと報告しています。また7.3%は改善を報告しています。
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発作コントロールの悪化の症例の特徴は普段の発作の頻度が高く、また発作増悪の誘引としては「ストレス」、「頭痛/片頭痛」があったと報告しています。有意ではありませんでしたが、不眠も発作増加群で多い傾向でした。
一方でCOVID-19感染症(疑い含め)そのものは、発作コントロールの悪化と直接はつながりませんでした。つまり感染症そのものより、感染流行に伴った社会情勢が間接的にてんかん患者の発作の悪化を引き起こした可能性があるということになります。
また流行期間において、対象者の17%では「十分なてんかん治療を受けることができなかった」、そして9.6%では「抗てんかん薬の入手が困難だった」と報告しており、日常診療の継続性の難しさを報告しています。
この前例のないパンデミックは、平素のてんかん治療の継続が困難となり、また平素にはなかった発作への悪化因子があり、それらの対処が求められています。
Epilepsia. 2021;62:41–50.
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