MRIで見えないてんかん焦点を、AIで可視化する

MRIで異常がないてんかん:診断はどうするか??
難治部分てんかんは内服治療だけでは発作が抑制できないため、根治療法としてのてんかん焦点切除術が検討されます。
ただし、焦点を切除するためには、その発作の焦点がどこにあるのか術前に明らかとしなければいけません。そして、この作業はしばしば評価が容易でなく、MRIで病変を認めないMRI陰性例では特に焦点の同定が難しいという限界があります。
今回の論文はいわゆるAI論文で、「機械学習法を用いたMRI画像診断でMRI陰性例の焦点同定がどの程度可能か」を検証しています。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/epi.16380
機械学習法を用いたMRI画像解析により、てんかん焦点側の側頭葉の画像の特徴を学習することで、てんかん焦点がすでに分かっている104名の片側の側頭葉てんかん(TLE)を対象に、てんかん焦点の類推の精度を評価しています。
対象の104名のうち、82人はMRI陽性で、残りの22名はMRI陰性で、それぞれでの焦点同定の精度(AUC)は
・MRI陽性の患者で0.981
・MRI陰性の症例で0.842(95%CI = 0.736-0.949)
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と高値でした。
特にMRI陰性例における焦点同定における画像的特徴は「海馬だけでなく側頭葉全体を含むような異常パターン」が検出されるものが含まれていました。
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つまり、MRI陰性例では、軽微な画像異常が後半に存在している可能性が示唆され、そのような軽微な異常を機械学習法である程度高い精度で検出可能であることが示されました。
てんかん焦点の同定の作業は、MRIが全てではなく、やはり脳波が最重要ではありますが、MRI陰性を可視化する「AIの目」は参考書見としての価値は十分高いと考えます。
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