扁桃体腫大のてんかん:amygdala enlargement

扁桃体腫大のてんかん:amygdala enlargement

MRIで扁桃体腫大を呈するてんかん症例はたまに見かけます。
ぼびpihb
January 2014Epilepsy & Seizure 7(1):1-13
DOI: 10.3805/eands.7.1
その背景病態の鑑別としては「自己免疫性てんかん」や「グリオーマなどの腫瘍性病変」などがありますが、原因不明の事もしばしばあります。原因不明の場合でも、発作自体は薬剤反応性が良好な事も多く、通常の抗てんかん薬での加療にて経過を見ることが多いのですが、この腫大は治療経過により徐々に腫れが引いてくる事も経験します。
問題は、この腫れが引いてくる現象が「治療効果として良好な結果」なのか、あるいは「腫れが引いて萎縮に転じている不良な結果」なのか、その解釈は不明でした。
今回の論文では扁桃体腫大を伴うてんかんで、治療開始後早期にMRIを再検し、扁桃体腫大の変化量を評価し、その変化量に応じて転機が異なるのかを前向きに検証し「治療開始後すぐに腫れが引いた症例のほうが、発作消失率の維持率が高い」という結果が得られました。
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つまり扁桃体腫大はてんかん活動性の初期反応であり、それを早期に鎮火することが、長期的な転機改善に寄与しているのではないか?腫大が緩和されにくい症例は、すでに鎮火する時期を逸しているがため病態が完成してしまい、発作消失率が低いのではないか。という新たな仮説を提唱しています。
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日常診療でこの扁桃体腫大はどうしたら良いのかと思うことがしばしばあり、非常に面白い結果と感じました。症例数がやや少なく、グループ分けが恣意的であることは否めない研究デザインではありますが、今後のさらなる検証には期待されます。
Epilepsia. 2020;61:70–80.
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