ミオクローヌス(Positive myoclonusとNegative myoclonus)

てんかん学会に参加してきました。
初日(11/3)前半は、
・グリアとてんかん(シンポジウム)
・Precise Medication in Epilepsy(特別講演)
・Pathophysiology of cortical myoclonus(柴崎先生教育講演)

を拝聴しました。
初日の午後からは、ポスター会場や、一般演題(Engish Session)などにも足を運びました。
柴崎先生は、京都大学の名誉教授で、中枢神経の電気生理の世界的に大変ご高名な先生です。神経内科専門医で知らない人はまずいないと思います。講演内容は不随運動(主にミオクローヌス)でしたが、専門的な内容を初学者でも非常にわかりやすく動画や電気生理学的知見も含めてご教示いただきました。
不随運動はてんかん発作とは異なる病態生理ですが、一次運動感覚野(primary sensory-motor area: S1-M1)の過剰興奮で生じるという点では「てんかん発作」との共通性があります。またそのcortexの過剰興奮を抑制させる「抗てんかん薬」が治療薬として有効である点も共通します。
Negative myoclonus(陰性ミオクローヌス)の診察は、この動画のように手首を伸展位で保持させることで誘発されます。
https://www.youtube.com/watch?v=mMsrq8GQ8Bk
Positive myoclonusNegative myoclonusも、そのgeneratorは一次運動野(M1)です。
なぜ同じ運動野の過剰興奮により生じているにも関わらず異なる症候(positive vs negative)を呈するのか?それはM1にはinhibitionな役割の局在とexcitationの役割の局在のそれぞれが存在するためです。興奮と抑制のいずれか優位に過剰興奮することでPositive myoclonusあるいはNegative myoclonusが出現します。

<てんかん内科医としてのミオクローヌス>

1)てんかん患者でもミオクローヌスを呈すこと
2)一部の抗てんかん薬(CBZやGBPなど)でミオクローヌスが悪化しえること
3)ミオクローヌスにはPositive myoclonus, Negative myoclonusがあること
4)進行性ミオクローヌスてんかんではペランパネルの有効性が注目されていること
5)神経内科医がしばしばコンサルトを受ける蘇生後脳症では、「てんかん発作」と「不随運動としてのミオクローヌス」がしばしば混在し、ミオクローヌスが悪化しやすい薬剤を避けながら調整が必要なこと
などが重要と思います。
てんかん学会の内容については、また少しずつご紹介していきたいと思います。
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