「水を飲む発作=側頭葉てんかん」
カンファレンスにて発作時動画を確認しました。すると発作の終了間際に「ペットボトルの水を飲む行動」がみられ、いわゆる”Peri-ictal water drinking”でした。
peri-ictal water drinkingはその名の通り、発作中あるいは発作の直後などで「水を飲む行為」です。側頭葉てんかんでの意識減損発作(FIAS)で多いとされ、特に言語非優位半球からの発作との関連性が報告されています。
通常、意識減損する発作の場合には、発作中の記憶はなく、動作が停止したり、自動症のように震えたりしますので、通常は意図的な運動は見られません。よって水を飲むというような意図的な行為は「発作らしからぬ行為」であり、とても特徴的です。
生理的な飲水行為は、組織の浸透圧や血管容積によって調整・制御されます。そこに関連する脳シグナルは、末梢の受容体から伝わってくるのですが、末梢の受容体からの情報は、視索前野や視床下部で処理されます(この機序についてはラットの視床下部外側を電気的に刺激すると、発作的に水を飲むようになるという動物実験で検証された仮説です)。
つまり、側頭葉内側で発生したてんかん活動が視床下部に伝わることで、水を求める行動が不自然に(自分の意図とは関係なく)誘発されるのではないかと考えられています。
Epilepsi 2017;23(3):123-126
Neurology Mar 2003, 60 (5) 873-876
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