発作を捉えるためには長時間ビデオ脳波モニタリングが行われますが、患者さんの負担も大きいものがあります。脳波記録の前に、そもそも「発作」があるのか?あるいは「発作」があるとしてもそれが「てんかん発作」なのか?などの疑問は動画記録で解決できます。
最近ではスマホで録画もできて便利ですが、突然始まる発作を捉えることが実際には難しいことや、就寝中の発作であれば記録自体できませんし気がつかないことも多いです。
今回の論文は、動画記録と同時に突然出現する発作を人工知能がリアルタイムで検出するその精度を評価したものです。
薬剤難治の小児てんかんを対象に、自宅(または病院)で就寝中に動画を記録しながら、その記録している動画をリアルタイムで人工知能が解読し、発作が出現した際には自動でどれだけ精度よく検出できるか?を検証しています。22例で検証され、合計125回出現したけいれん発作のうち、118回をリアルタイムで検出しました(感度94%)。
もちろん、動くたびにアラームが鳴るようなら使い物になりませんので、「けいれん」のような、てんかん発作らしい動きを鋭敏に捉えなければいけません。よって検出閾値の設定も重要になります。実際に、発作ではなかったのにアラームがなったのは22例中6例でした。
機械学習を深めることで今後さらなる精度向上が期待できますが、そもそも「夜間の発作」は気がつくことすらないことも多いですので、夜間に発作がないのか?そしてあった場合にはそれが「てんかんなのか?」という疑問に対しては、まずは発作を感度よく補足することが重要になります。
よってスクリーニングとしての側面では感度が高い点は有用と考えます。そして何より、脳波をつけるわけではないので、自宅でも検査可能でありStay Homeでの精査という将来性があるのかもしれません。
図の左は22名の患者単位での発作検知の結果
右は誤報(発作ではないのにアラームが鳴った)の内訳
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/epi.16504
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