ミダゾラムはベンゾジアゼピン系の抗てんかん薬ですが、その点鼻薬(MDZ–NS)が開発され、その効果と安全性が検証されました。
外来で治療中のてんかん患者で、発作がどうにもこうにも止まらない重責の場合にはもちろん救急搬送されますが、重責とまでは言えないが発作が頻回に出現する場合(群発する場合、例えば一日に何度も短い発作が集中して出現するなど)、可能であれば自宅でなんとか対処したいものですし、対処できなければ重責に進展するリスクが高まり大きな問題です。
発作時の対処としては内服薬を追加で飲むこともできますが、飲める状況でなかったり効果発現が遅かったり、と限界があります。また座薬での屯用もありますが、やはり汎用性で劣ります。
このような背景で、点鼻薬のミダゾラムが開発されました。もちろん投与主義的には経口、座薬、口腔内よりも簡便です。あとは効果と安全性の問題でしょう。
ということで今回のphaseⅢの試験です。発作が群発した経験のあるてんかん患者(外来治療中)を対象に無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験を行いました(MDZ–NS 5mg 投与群の134人、プラセボ投与群の67人)。
結果ですが、
プラセボよりもMDZ-NSで発作消失率は有意に高い結果でした(53.7% vs. 34.4%; P=0.0109)。また発作再発率も、MDZ-NS群で有意に低い結果でした。
また安全性においても、
呼吸抑制などのadverse eventによりMDZ-NSの使用を中止せざるを得なかった症例はなかったようです。
Epilepsia. 2019;60:1797–1808.
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