脳卒中学会 2017 てんかん関連

3月16日から19日の4日間、大阪にて脳卒中学会総会(stroke 2017)が開催されました。
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脳卒中の合併症には、「けいれん」「てんかん」(急性症候性発作や、症候性てんかんなど)がありますので、脳卒中領域においても臨床てんかんは重要課題の一つになりますし。今年もこれに関連した研究報告がありました。
具体的には本大会では以下に関する報告が見られました。
・ 「症候性てんかん」
・ 「非けいれん性てんかん重積」
・ 「症候性てんかんと、迷走神経刺激療法」
これらのkey wordに関する、現状での臨床課題(remaining issues)は以下のように考えます(私見です)。
<症候性てんかん>
・ 脳卒中後に、てんかんに移行するリスク、確率、事前予測などに関しては多くの研究がありますが、その予防法・治療法を確立は確立されていません。
・ 症候性てんかんの予防および診断治療に関するガイドライン作成が臨床の現場では必要とされています
<非けいれん性てんかん重積(NCSE: non-convulsive status epilepticus)>
・ 未だ充分に周知されていない、あるいは適切に診断されていない可能性
・ 提唱された定義はあるが、その診断は決して容易ではない
・ 脳波所見の評価は非専門医にとって難しい
<迷走神経刺激療法 (Vagus Nerve Stimulation)>
・ 有効性は知られているが、VNS導入前に有効性の事前予測は困難
(VNSの適応用例の中でも、どのような症例でより有効性が高いのか)
これらの課題に関する各論は、今後の記事で改めて紹介したいと思います。
ところで、
本大会は、脳神経外科、脳血管内科(脳卒中科)、神経内科、救急科、総合診療科など、幅広い診療科が関連する学会で、いずれの診療科も「てんかん」「けいれん」に従事する機会が多いと考えられます。
ですが、脳卒中学会の大会全体の中で、「てんかん」、「けいれん」に関連した報告は決して多いとは言えません。
今後も「てんかん」、「けいれん」に関連した研究が盛んに行われることを期待したいと思います。
今回は、主に私見を述べましたので、参考資料はございません。
今後とも、どうぞ宜しくお願い致します。
Key Words
症候性てんかん、急性症候性発作、けいれん重責、Early seizure、Late seizure、Post stroke epilepsy
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