意識障害の鑑別の一つに、てんかん発作があります。
遷延する意識障害患者の場合は、非けいれん性てんかん重積状態(non-convulsive status epilepticus; NCSE)の鑑別を要し、近年注目されています。
てんかん重積状態(SE)は、臨床上の定義として、
「5分以上持続するか完全な意識の回復なく発作を繰り返す状態」とされます。
NCSEの定義は幾つか提唱されていますが、臨床上のてんかん重積状態と同様に
「EEG seizure patternが5分以上持続するか,ベースラインの脳波に戻ることなくEEG seizure patternを繰り返す状態」
という定義が理解しやすいと考えられています。
NCSEには分類があります。
Semiologyや脳波所見で特徴付けられます(表)
臨床経過からNCSEを疑った際には詳細に診察することで診断につながることがあります。NCSEは陽性症状として,顔面のピクつき,眼振,眼球偏倚,保続,振戦などありますが、
微細なmyoclonusなどはよく診ないと気がつきません。
一見,意識障害以外に明らかな神経症候が無いようでも,じっと観察していると、微細な眼振あるいは顔面のピクつき(ミオクローヌス)に気がつくこともあります。
微細な症候を見つけたら(見つけなくともNCSEを疑えば)、脳波を確認し、NCSEの発作型に応じた迅速な治療の開始と、背景因子の検索を行います。
References
Meierkord H, Holtkamp M. Non-convulsive status epilepticus in adults: clinical forms and treatment. Lancet Neurol. 2007;6(4):329-39.
Brophy GM, Bell R, Claassen J, Alldredge B, Bleck TP, Glauser T, et al. Guidelines for the evaluation and management of status epilepticus. Neurocrit Care. 2012;17(1):3-23.
Walker M, Cross H, Smith S, Young C, Aicardi J, Appleton R, et al. Nonconvulsive status epilepticus: Epilepsy Research Foundation workshop reports. Epileptic Disord. 2005;7(3):253-96.
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