医師と患者のコミュニケーション向上
てんかん治療では、担当医は発作状況を患者さんより聴取することで、追加の治療の必要性など判断します。
具体的には発作の種類、程度、頻度などを包括的かつ定性的に判定します。
一方で、患者側としては発作の詳細を「伝えることが難し」かったり「言葉として表現することが難しい」ことがあります。また、そもそも自身で自覚しない発作もあります。例えば、長時間ビデオ脳波検査をした場合、患者自身が自覚して告知した発作は実際の発作の約半数程度だったとする報告もあります。
一方で、治療するのは発作だけではありません。治療に対する満足度は担当医の立場で考えると「発作の少なさ」が最優先と考えがちですが、患者の立場では必ずしもそうではなく「薬の副作用の少なさ」の方がQOL(生活の質)の上で優先度が高いということも知られています。
以上のように担当医ー患者間には常に一定のコミュニケーションエラーが存在していると考えてよく、担当医は可能な限りその隙間を埋めていために努力しなければいけません。
ただし忙しい外来の限られた時間の中でどのように詳細にかつ体系的に実施することは決して容易ではありません。いろいろなタイプのてんかんがあり、発作症状も様々で、てんかん患者さんの年齢もあらゆる世代にいます。まさにテーラーメイドの診療が求められています。
てんかん発作日誌アプリは、患者さんが自身の状態を把握しつつ、医師への情報提供として効率よく伝えることに役立つために作られたアプリケーションです。
患者さん本人ではなく家族がダウンロードして記録をするのもよいと思います。このようなツールが今後より進化して、医師ー患者間のコミュニケーションの向上につながればと思います。
https://www.tenkan.info/appli/
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