パンデミック時に注意が必要な「てんかん患者」はどんな人?

COVID-19とてんかん発作の変化の疫学研究がEpilepsy & Behaviorに報告しました。
https://doi.org/10.1016/j.yebeh.2021.107886
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コロナ渦では様々な影響を受け、てんかん患者さんの状態も変化しました。ただし、コロナ渦ではいろいろなことが目まぐるしく日々変化しましたので、どのような因子によって発作が悪化したのか、あるいはしなかったのかは重要なポイントです。
特にCOVID-19の感染そのものによって発作が悪化したとする報告もありますが、果たして感染拡大が及んでいない地域における「コロナ渦」で、てんかん発作はどのように変化したのかは知りたいところです。
つまり、感染症が直接は届いていない地方の都市では、様々な情報が錯綜し社会も変化しました。このような、いわゆる「コロナ渦」によって、心理社会的な影響を人々が受けたことは言うまでもありません。そしてそのような目に見えない影響によって、てんかん患者さんのてんかん発作は変化したのでしょうか?
196名の連続症例を登録・解析しました。
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国内の感染拡大が始まった第一波からの6ヶ月と、その前の6ヶ月前の期間を比較し、
1)てんかん発作が増えたかどうかを確認し、そして
2)発作が増えた症例については、どのような臨床的な項目・社会的な因子が関わったのか
を解析しました。
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結果1:
国内の感染が広がる中、COVID-19の非流行地ではすでに約16.8%で発作頻度が著増した
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結果2:
発作の頻度が増加した症例の特徴は
・もともとの発作頻度が多い
・PNES合併例
・独居
が独立して関連していました。
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つまり、もともとのてんかんが難治である症例に加えて、心理的な負担に脆弱である方、社会的孤立になりやすい背景を有している方は顕著に発作が増加しました。
一方で、コロナ渦での収入変化などの社会因子は発作の増加には関連しませんでした。
結果3:
一方で、発作が減った人も15%でいました。新しい生活様式がマッチしたことで(通勤がなくなる、睡眠不足が解消される、休校になるなど)、発作が減少したと言う人がいることも重要な結果です。そして、発作が増えなかった症例は「独居」ではなく、「2世帯」での生活様式である傾向が示され、家族のサポートがコロナ渦中でも極めて重要であることが示唆されました。
結論:
pandemicそのものではなく、情報錯綜に伴う社会変動(infodemic)によって、人々は混乱し、てんかん患者さんも同様で、発作頻度の変化と言う結果をもたらしました。社会的孤立(social isolation)に陥りやすい背景を有している場合には、このような社会変動に脆弱である可能性があり、そのような症例に対しては感染拡大が広がる事前に特別な配慮を要すと思います。
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